ハイドロポッドご使用上の注意点/caution

MENU

ハイドロポッドは、開発後商品としてリリースするまでに数年間を要しました。その理由について、ご使用上の注意点と併せて説明いたしますので、ご使用開始前に必ず最後までお読みください。以下の注意内容に該当する取扱いを行った場合、保証が適用されませんのでご注意ください。

水素の吐出を確認するために、インヘーラーの先端を水の入ったコップなどに浸漬させてバブリングする行為が流布されているようですが、これは絶対にやってはいけない最悪の行為です。先述の通り、衛生性を重視してウェットと決別したにもかかわらず、雑菌に水と餌(水道水やミネラルウォーターの場合)を与えて繁殖環境を整えることになります。

バブリングは、即座に除菌と真空・温風乾燥ができる設備を持つ事業者向けの確認手法で、その場合でもエチルアルコールやIPAを使用します。そのため、ノズル部にはこれらに耐性のある樹脂素材が採用されています。

インヘーラーから異臭がする、水素の出が悪くなりバブリングで確認しているといった問い合わせを受け調査したところ、内部には写真のようにクリーム状の液体が溜まり、雑菌が異常繁殖している状態でした。

また、サブフィルターが雑菌に汚染された液体によって閉塞しており、水素が供給されるたびに汚染液が内部で飛散するような状態でした。このような場合、サブフィルターを通り越してメインフィルターも汚染されている可能性が高いため、分解除菌洗浄では不十分でフィルター全交換が必要となります。体調を崩す事態になりかねませんので、絶対にバブリングは行わないでください。水素の吐出確認は水素検知器で行ってください。

バブリングを行った場合の雑菌異常繁殖プロセスは以下の通りです。

STEP

吸入を行うとノズルの吐出口付近に口内細菌が付着します。また手指等から雑菌が付着する場合もあります。

5分程度の吸入の間に吐出口からノズル内部に流れ込む唾液の量は限られるため、通常はインターバルの間に自然乾燥し、雑菌が繁殖するような状態にはなりません。

STEP

水素が出ているか確認するためバブリングを行うと、吐出口やベンチュリーホールからノズル内部に水が入り、ノズルを上向きにすると雑菌が水と共にノズル内部を滴り落ち、バッファースペースに到達します。

これを繰り返すと雑菌を含む水がバッファースペース内に溜まり雑菌が増殖します。

STEP

バブリングを行う際はノズルが下向きになるため、雑菌が大量繁殖した汚染水がバッファースペース内のノズル側に移動し、水素の吐出に伴い吐出口に向かって押し出されてきます。

STEP

バッファースペース内は通気性が乏しく汚染水が自然乾燥するには時間がかかるため、常に雑菌が大量繁殖した状態となり、吸入の度に雑菌が口内に供給される事態となります。

ハイドロポッドをインヘーラーもしくはミニポッドフレーバーと接続し、水素吸入もしくは喫煙を行った際、インヘーラープロVタイプの場合はノズル先端のバルブを閉じることで、インヘーラーを取り外さずに水素の吐出を止めることができますが、それ以外のインヘーラーは取り外さないと水素の吐出が止まりません。つい忘れて放置してしまうと、水素が全て放出されてしまいます。またハイドロポッド内の水素を全て無駄なく吸おうとして、圧力がゼロの状態になっても吸入し続けると同様の状態になります。この場合、ハイドロポッドが冷たくなり内部が負圧状態となるため、空気が流れ込みます。冷たくなくても水素は軽く拡散性が高いため、重い空気との入れ替わりが迅速に進行し、ハイドロポッド内部が空気に汚染された状態となってしまいます。空気には酸素が含まれるため、この酸素が水素吸蔵合金と反応して表層に酸化膜を作り、水素の吸蔵を阻害します。

しばしば結露を伴いますので、空気と一緒に多量の水分も内部に取り込まれ、水素の純度が大きく低下します。このため、水分を蒸発させて内部に空気が全くない状態にすると同時に酸化膜を除去する処置が必要になります。これを汚染解消処置と言います。汚染解消処置を行わずに再充填を行って使用できる状態になる場合もありますが、ハイドロポッド内部には水分や空気が残留するため、ガス製造メーカーが保証する4N(99.99%)が失われてしまいます。ハイケアーでは、圧力がゼロになったハイドロポッドに対し、無償で汚染解消処置および除菌処置を行ってまいりましたが、汚染解消処置は工数がかかる上、前述の微細化も進行させるため、長期使用の観点からも好ましい処置ではありません。

また、同時に使用していたインヘーラーは必ずハイドロポッドと一緒にハイケアーステーションに送付してください。ハイドロポッドが結露した場合、接続していたインヘーラー内部にも水分が付着します。先述の通り、インヘーラーの内部流路やバッファースペースは通気性が悪く、水分が乾燥しにくいため、雑菌繁殖の要因となります。必ず除菌処置を行ってからご使用ください。また、インヘーラープロには汚染防止機能のオプションがありますので、ご検討ください。

取扱説明書に明記しておりますが、医療用、工業用を問わず、繰り返し利用を前提とした高純度ガス容器の活用においては、純度維持のため内部圧力をゼロにしないことが使用の前提となっておりますので必ず遵守してください。内部圧力がゼロになっても問題無いなどと喧伝する事業者には十分ご注意ください。ハイドロポッドの場合、衛生面においてもトラブルの要因となる場合がありますので、インヘーラーの取り外し忘れや圧力がゼロになるまで吸入を続ける行為には十分ご注意ください

恐らく関係者の誰もが真っ先に挙げる水素吸蔵合金の欠点として知られており、他社メーカーが水素吸蔵合金の分子状水素用途での活用に二の足を踏む要因と思われます。

水素吸蔵合金は、吸蔵放出を繰り返すたびに粒子が小さくなります。容器内部の吸蔵合金粉末が外部に漏れ出さないようにする篩が備えられており、この篩の目より吸蔵合金の粒子が小さくなると、目が詰まって流量が低下したり、通り抜けて外部に漏出する事態となります。そのため、篩の粗さを決定する前に、吸蔵放出を最低2000回繰り返し、該当吸蔵合金の粒度変化データを取得し解析する必要があります。微細化に伴い膨張負荷が重力方向に偏り、容器が変形する問題や、水素脆性の問題も同時に検証する必要があるため、専用の加速試験装置を適用しない場合、一つの合金の解析に最低でも1年を要します。それを把握した上で篩の粗さを決定し、何回目で篩を交換すべきかの指標を作成します。実際に該当回数の再充填を行った状態で、ハイドロキャップを用いて水素水生成を行い、日本食品分析センターなどで該当金属が定量下限以下であることを確認してもらいます。

試験データはこちら

実運用ではS/Nで充填回数を管理し、時期が来たら次の粗さの篩と交換し、日時を記録しデータとして保管します。
さらに、金属粉の漏出は絶対にあってはならない事象のため、再充填依頼の際にクリーン綿棒で継手内に残留する物質を回収し、金属粉が含まれないか顕微鏡で確認し記録します。もし確認された場合は、パーティクルカウンターという機器で該当粒子が規定値内か確認すると同時に、流量を確認することで篩の閉塞率を確認し、兆候が見られた場合は規定回数に到達していなくても篩を交換します。結果として、当社で再充填したハイドロポッドの継手内には一切異物がない状態となります。

S/Nによる履歴確認が取れなくなると、品質保証が困難になります。再充填依頼は慎重に行っていただきますようお願い申し上げます。

ハイドロポッドの誤った取扱いで最も多いのがアダプターの取外しです。ご使用いただく前に、取扱説明書や動画をよくご確認いただければ、避けられる事象かと存じます。

所有者ご本人様以外がハイドロポッドとインヘーラーを初めて渡され、取外し方法を確認する前に外そうとして、力任せに引っ張ったり回したりして損傷させてしまうケースが最も多いようです。

通常使用で10年以上の耐久性を確保した、産業機器グレードの部品を採用しておりますので、誤った方法では絶対に外れないようにできております。ただし、無理やり取り外そうとすると、廉価なツール側(インヘーラー等)が損傷し、部品交換が必要になります。

十分注意するようお願い申し上げます。

以上

ウェット水素との決別

2013年、ハイケアーは東北大学大学院工学研究科の石田清仁教授が発見した、水と反応して水素を発生させるAl-Sn合金粉末の量産化に成功し、これを水素発生源とした過飽和水素水生成器および水素入り泡生成器(フォームジェネレーター)「ハイドロフォーム」を開発しました。その後、水素の摂取方法の主流が水素吸入へと移行したため、過飽和水素水生成と水素吸入に特化した「ハイドロワン」を開発し、さらにドージング機能やフォームジェネレーター機能を付加した業務用「ハイドロツー」を市場に投入しました。

この時に直面したのが機器の衛生維持の問題でした。衛生性は雑菌の増殖と密接に関連しており、温度・水分・栄養の3つの条件を管理することが重要とされています。特に水分は、細胞の構成要素であるだけでなく、細菌の伝播や栄養供給の媒介としても機能し、細菌の増殖や拡散を助長するため、管理が非常に重要です。しかし、Al-Sn合金粉末の場合、水分が多く含まれる水素が発生するため、機器内が湿気を帯びた状態となり、衛生性を保つためにはお客様による頻繁なメンテナンスが必須でした。

同時期に、大手健康機器メーカーからの依頼で電気分解式水素発生器を付帯した水素スチーマーの開発を行いましたが、電気分解式はAl-Sn合金粉末のように水を必要量のみ注水するのではなく、大量の水を貯めておくタンクを付帯し、流路は常時水で満たされているため、常に水が蒸発する状態となっており、水素に含まれる水分の量はさらに多く、雑菌の繁殖が深刻な問題となりました。

対策を模索する過程で、フィルターや乾燥剤の交換、タンクへの注水、ツール類の脱着時に手指を介して付着した雑菌が、通気性が悪く乾燥しづらい流路内の滞留部に水を介して伝播し、そこで繁殖すること、また、水道水には有機物(細菌の栄養素)が含まれるため、塩素が揮発した数日後から爆発的に細菌が増殖することなどを身をもって学びました。過去の事例を調査し、ウォーターサーバーの変遷などからさらに多くのことを学びましたが、衛生性やメンテナンス性を求めれば機構が増え大型化し、コストが上がるという基本概念は変わるものではありませんでした。

ハイケアーには人食いバクテリアに感染し片足を失ったマテオという古参メンバーがいるため、皆、細菌の恐ろしさ、衛生の重要性に対する意識が非常に高く、衛生性維持をお客様によるメンテナンスに依存するという機器コンセプト自体が不適切であり、雑菌繁殖要因を根本的に排除した機器こそが、お客様の健康に寄与する分子状水素活用機器のあるべき姿ではないかという声が上がりました。

結局のところ、電気分解式や加水分解式といった水を必要とするプロセス、すなわちウェットプロセスを採用している限り、水分の除去には専用の機構とそれに見合ったスペースが必要であり、それを付帯させたとしても、オンタイムで雑菌の増殖を直接監視する新たなシステムや、間接的に水分量を常時監視し異常があれば機器を緊急停止させるフィードバックシステムを付帯させない限り、問題が発生した場合に気付かずに雑菌を提供し続けることになり、衛生性は担保されません。また、コストや携帯性の観点からも水分フリーは困難であるとの結論に達し、ウェットと決別して雑菌繁殖要因≒水分を全く含まないことが保証された「ドライ水素」の活用へと方針転換しました。

なぜ保証付きの
ドライ水素に拘るか

まず誤解を招かないようにお伝えしますが、ここでお話しする電気分解式水素発生器はハイドロポッド再充填用に限定した話です。各社が健康への影響を強く意識し、万全の品質管理体制で提供する水素吸入用途専用の電気分解式水素発生器とは全くの別物であることをお断りさせていただきます。

ハイドロポッドの再充填には、上記の用途で必要とされない1Mpaに及ぶ高い圧力の水素が必要となるため、機器仕様が全く異なります。この点をご周知ください。

4Nおよび6Nドライ水素は、市販の電気分解式水素発生器に水素純度計や露点計などを付加し、管理することで誰でも製造可能です。もちろん、数百万の費用はかかりますが、製造自体は簡単です。にもかかわらず、なぜハイケアーは大手ガスメーカーが製造する保証付きのドライ水素ガスに拘るのでしょうか。それは、人の健康に影響を与える可能性がある用途で使用するからです。ハイケアーは世界で唯一のハイドロポッドの専門家ですが、残念ながら水素ガス製造のプロではありません。プロでない者が製造した水素ガスを、そのような重要な用途で使用できるはずがありません。では、プロが製造する水素ガスとはどのようなもので、何が異なるのかを以下に説明いたします。

現時点で水素摂取は医療行為として認可されていないため、水素ガスには酸素や窒素のように医療用の規格が制定されておらず、それを製造する機器にも医療用規格が存在しません。しかし、その用途は健康に影響を与える可能性があるため、強く意識する必要があります。研究者の助言を参考にし、自らの判断で適切な規格を策定する必要があります。明確な規制や規格が存在しないからこそ、より厳しく、安定的で信頼性の高いものを目指さなければならないと考えています。

例えば、医療用酸素は不純物の混入が厳しく制限されており、酸素自体のみならず容器に至るまで厳格な品質管理が義務付けられています。特に問題が発生した際にその原因を迅速かつ確実に究明・把握できるよう、全ての製造工程状況を正確に記録に残さなければなりません(トレーサビリティ)。これは一般の酸素と一線を画す点であると認識しています。酸素を生成する機器についても、医療用酸素濃縮器は高度管理医療機器に区分されており、プロによる厳密な保守点検と管理がセットになったレンタルのみでの提供となっています。つまり、酸素自体の品質もさることながら、機器がいついかなる時でも安定的かつ正確に動作する状態を“保つ”ことが重要視されているということです。さらに、万が一故障等が発生しても、即座に代替器が提供される手厚いサポート体制が整えられており、機器の保守や修理で何日も供給がストップすることがないよう十分配慮されています。

電気分解式水素発生器は酸素や窒素の濃縮器と異なり、水を多量に使用するウェットプロセスであるため、その仕組みや保守点検の複雑さは簡便な濃縮器の比ではありません。冒頭に記載した通り、露点計等を付帯させることでドライ水素を製造することは可能ですが、万が一露点計のような計測器の精度が低下した場合はどうなるでしょうか。規格値を下回る水分を含む水素が流出する事態となってしまいます。このような事態を避けるため、計測器類は使用前に校正を行うことがISO等の品質管理で定められており、これを計測器のトレーサビリティと呼びます。しかし、露点計といった特殊計器の場合、校正も特殊であるためプロに依頼する必要があり、ある程度のインターバルをおいて校正を行う形となります。例えば、1年間に1度と定めて、運悪く校正を行った翌日に故障した場合、約1年間、規格値外の水素を供給し続ける事態となってしまい、流出を防ぐ手立てがありません。このような、ほとんど有り得ない事象に配慮するのが、健康に影響を与える可能性がある用途でのリスクマネジメントです。

つまり、単にドライ水素を製造することと、安定的かつ継続的なドライ水素製造・供給体制を整え、品質を保証し続けることは全く別次元の話なのです。然るべき用途を意識して製造・提供されていなければ、品質管理・供給体制が適さないのは当然のことです。先述のとおり規格が制定されていない以上、適切と判断される手法を自ら責任を持って吟味・選択する必要があります。健康に影響を与える可能性のある用途を意識した場合、現状の電気分解式水素発生器の品質管理及び運用体制は全く不十分であり、ハイドロポッドに適用しようとすること自体が不適切なのです。

プロが製造するガスはトン単位のバッチ(ロット)で製造され、トレーサビリティ管理下にあるガスクロマトグラフという精密な分析器を用いて不純物を確認することで、バッチごとにその品質が保証されます。ガスクロマトグラフでの確認は医療用ガスでも必須とされています。一方、ハイケアーを含む素人がガスを製造した場合、一日中製造し続けても僅か数百グラムしか貯まらず、極めて微小量に対して毎日ガスクロマトグラフを用いて確認する必要が生じるため、全く現実味のないコストになってしまいます。つまり、大手ガスメーカーと同レベルの品質保証をするということは現実的に不可能なのです。

6N水素ガスは半導体産業で多く使用されており、細菌同様、肉眼で見えない微細な製造工程に依存しているため、その品質は非常に厳しく管理されています。膨大な量を消費するが故に、万が一問題が発生した場合は桁違いの損害が発生するため、医療とは趣の異なった責任と厳しさがあります。そして何より重要なのは、大手ガスメーカーの製造するガスが、半世紀にわたり日本の半導体産業を支えてきたという実績と信頼性です。当初は様々な問題があったと聞きます。そのたびに真摯に問題と向き合い改善を繰り返し、安定的かつ継続的な万全の供給体制を構築し、日本の半導体産業に貢献してきたのです。ハイケアーを含む素人が、電気分解式水素発生器を買ってきて製造するドライ水素ガスなど、比較の対象にすら成り得ません。

大手ガスメーカーが製造する水素を活用しても、加工(ボンベからハイドロポッドに移し替えること)する以上、品質管理を誤れば不純物が混入する可能性があります。しかし、この加工作業は極めて単純であり、医療用ガスボンベの取扱いにおいても長年採用されてきた実績があります。品質管理を複雑化させる電気や水がありませんので、リスクマネジメントの観点から最良の選択と言えます。そしてハイケアーは、ハイドロポッドの”加工”のプロとして、10年間の実績と信頼を有しております。

すべての分子状水素活用ビジネスは、多くの研究者の真摯な学術研究や医学研究によって成り立っています。そこでビジネスをさせていただく以上、自らの専業分野において最高を追求し、分子状水素の社会的普及に貢献することが責務だと考えています。雑菌なんか見えないから適当に誤魔化しておけばよい、純度なんか誰も測定できないから適当に言い訳しておけばよい、などという口上は断じて許されるものではありません。見えないから、測定できないからこそ最大限の配慮をしなければならないとハイケアーは考えます。